債務整理
債務整理とは、借金の悩みを解決するための手続きです。
任意整理
貸金業者の中から特定の業者を選んで交渉して
①今後発生する利息をカットしてもらった上で
②元本について3年から5年の長期分割をしてもらって毎月の支払額を下げること
についての合意を目指す手続きです。
- 任意整理のメリット
②毎月の支払額が下がることによって返済が楽になることがメリットであることはもちろんです。しかし、より大きなメリットは①利息のカットです。
借金総額が100万円あり、毎月3万円支払っているとします。(利息制限法の上限いっぱいの利率が定められていた場合)毎月の利息の支払額は1万2500円となります(100万円×15%÷12か月)。利息の支払いが1万2500円であり、元本への支払いは1万7500円にすぎません。結局、1年間で利息を15万円、元本を21万円支払うことになります。
2年目は、借金総額が79万円となり(100万円−21万円)、毎月の利息の支払額は1万1850円となります(79万円×18%÷12か月)。利息の支払いが1万1850円であり元本への支払いは1万8150円です。2年目は、利息を14万2200円、元本を21万7800円支払うことになります。
3年目は、借金総額が57万2200円となり(79万円−21万7800円)、、、
このように、元本を完済するまで利息の支払いが続くことになります。
任意整理を行って利息をカットしてもらうことにより、1年目15万円、2年目14万2200円、3年目、、、の利息の支払いを免れることができます。
そして、カットした利息の総額(15万円+14万2200円+、、、)から弁護士費用を差し引いた額が①のメリットになります。
自己破産
裁判所に申立てをして
借金の支払義務を免除してもらうこと
を目指す手続きです。
- 自己破産のメリット
借金の支払いを免れることがメリットであることはもちろんです。
しかし、より重要なことは、このメリットが、裁判所の判断を得た時点で初めて生じるというのではなく、自己破産を弁護士に依頼した時点で事実上生じるということです。
すなわち、弁護士が貸金業者に受任通知を送ることによって、返済の催促を貸金業者から受けることがなくなります。そうすると、弁護士に依頼した時点で、借金の支払いを事実上免れることができるのです。
個人再生
裁判所に申立てをして
5分の1程度に減額された借金を原則3年間で返済することを認めてもらうこと
を目指す手続きです。
- 個人再生のメリット
ローン付住宅を維持できることが最大のメリットです。
自己破産の場合は、貸金業者に対する支払いに充てるために住宅等の財産が処分されてしまいます(処分後に残った借金についての支払義務を免除してもらうというのが自己破産手続きです)。これに対して、個人再生の場合は、今まで通り住み続けることができます。
過払い金
利息制限法で定められた利率を超えて利息を支払い続けた結果、
超過して支払った利息(過払い金)の額が元本を超えた場合、
元本を超えた分を貸金業者に対して返還請求することができます。
- ただし、通常、過払い金が発生するのは、平成22年(2010年)6月17日以前に借入れを開始したときに限られます。
- また、過払い金が発生していたとしても、最後に利息を支払った時から10年経過していると、時効にかかってしまい、返還請求できなくなります。